市内に2年前竣工したS邸で、居間のコルクタイルがひび割れたとの話がありました。住みはじめて2ヶ月くらいでしょうか。冬の竣工でしたので床暖房を使用していての結果でした。コルクはやわらかい歩行感、吸湿性等すぐれた床材と考え、自宅でも使っているくらい、数多く使用してきましたがこんな事は初めてでした。ただひびの部分の床が何か柔らかくふわふわしていました。
施工者ともいろいろ調べてみたのですが、たしかにコルクはひびに弱い欠点はあるものの、決定的な原因が特定できませんでした。なかばあきらめかけ張りなおしも検討していた時、ご主人からタタミの下のベニヤが穴があくんだよね、との話。あわててタタミをはがしてみると、確かに下のベニヤの一部が巾30mmくらい表面の厚さ2mmの板だけで中が空洞になっており、そこだけ非常に弱くなっていました。建材屋さんにも来て見てもらいましたが、こんなベニヤは見たことが無いとの事。結果コルクの下にこれらが使用された可能性があり、これが原因で床がたわみ、ひび割れたとの結論に達しました。
S氏には大変ご迷惑をおかけしましたが、最終的には無償でコルク、ベニヤを撤去し新しくフローリングに張り替えることで了承していただきました。
自宅のコルクはといえば、すでに角は掛け、一部はがれて見た目は悪いですが、いまだその上で生活しています。触感のよさが捨てがたくそのままです。
壁天井は肌に触れませんが、床材は歩行感等見た目より機能優先と考えていますが、それを納得するかどうかは個人の考えもあり、むずかしいと考えさせられました。