知り合いのKさんから、「玉中で1年生に社会人として、職業人として、先輩としてのお話をしてもらえないか。」とのことでした。
最初はちょっと考えましたが、今のこの社会の中で、正しく生きなければとの思いを、次代を担う多くの子どもたちに分かってもらわなくては(ちょっと大げさですが)と考えお受けすることにしました。
当日は30人くらいの生徒があつまっており、事前に建築の設計に興味を持っている子どもたちで、ほとんどが男の子でした。ひと通り設計とは、建築とはとの話をしてその後、いきなり「夢は実現すると思うかい?思う人は手を挙げて」と言ったら、約半数くらいの子が手をあげました。これには正直驚きました。今の子は現実的で、夢が実現するなんてことは無いと思っていると感じていました。
では実現するにはどうしたらいいか、まず思うこと、そして言うこと、実行すること、好きなことならどんどんできる。それを伸ばそう。と話しました。
次に「人間は生まれ変わると思うかい?」と聞いてみました。これも半数くらいの子が手をあげ、これもびっくりしました、どうも今の子たちはわれわれの世代より、そういったことを柔軟に考えているのかも知れないと感じたしだいです。
「生きがいの創造」。福島大学教授の飯田史彦先生の書いたこの本は、いまから10年ほど前に初めて読み、その内容の深さに感動し、その後の自分の人生観を大きく変えた本です。
人は生まれ変わる。死んだときその一生をもう一度体験する、それも相手の立場で。その反省を含めて次の人生を選ぶ。生きている間に起こることは成長するために自分が自分に課していることだ。だから人を恨んでもいけないし、傷つけたりもしてはいけない。そしてけっして自分は一人で生きているわけではなく、ずっと見守ってくれている存在がいる。
この本の書いてあるそんな話もし、最後に職業もいかに儲けるか、有名になるかでなく、自分の仕事がまわりに人々に喜ばれるか、役にたつかということが究極の目的ではないか、と話ました。
理解してくれたかどうかはわかりません。こういったことはすぐに理解することでも、信じることでもないですから。でもあるときあの人がこんなことを言ってたな、ふと思ってくれる時があればと感じました。
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