昨年起工式を行い、年明けに着工していた太田のK宮神社が竣工し、11月5日好天に恵まれた中竣工式が行われました。
紅白の幕やテントが張られ、いつもの竣工式風景です。
でもこの式が他と違ったのは、来賓と呼ばれる人が一人もいないこと。参加者はすべて関係者です。いつもの見慣れた役員さんたち、そして宮司さん、これを創るために浄財を寄付していただいた氏子の皆さんたちです。その人たち全員の思いが一つに感じました。
ですからこの場の雰囲気、新しい社殿を中心としたこの山全体を包む空気とでもいうのでしょうか、暖かく輝いていると感じました。私のいままでの経験の中でもこんな感じは始めてでした。
建設委員長のYさん、陰日なたになりこの神社建設の軸となったI工業会長のIさん他みんなこの建物の完成が本当にうれしくてしかたがない、苦労もあったがとにかくよかったと、心底感激していました。
人というものは、自分のためというより人のため、地域のためならば本当に力が出る、苦労を苦労と思わないで仕事が出来る。そして最後は皆で喜びあえる。
そんな中に自分がいることを本当に感謝したしだいです。
最後にこのあたりは八木節の本場で、保存会の皆さんの1級品の八木節を披露して頂きました。なかなか素晴らしいものでした。特に同席のI棟梁は特に感激したようすで、
「はじめて生で見させてもらったけれど、いやーいいですね。なんか国定忠治なんて聞くと、興奮してきちゃって。」と大喜びで、もう一度やって欲しいとアンコールまでしていました。
ここのY建設委員長は八木節保存会の会長も勤めて皆を指導しているとかで、最後はみずから礼服の上着をぬいで、太鼓のバチをもって音頭をとり、みごとなバチさばきで盛り上げていました。
お開きとなりましたが、個人の家でもなく、役所の建物でもない、みなが浄財を出し合って創り上げたこの社殿はほんとうに建築の原点ではないか、神様が住む家をみなが持っている力を出し合って創り上げる。まさに「結い」の本領なのかなと思います。
役員さんたちの笑顔に送られ帰路につきましたが、あたたかさを頂きこの仕事をしていて本当によかったと思った一日でした。
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