藤原正彦氏著「国家の品格」を読んでみました。藤原氏は御茶ノ水女子大学教授の数学者で作家新田次郎氏、藤原てい氏のご子息です。新田次郎氏といえばかつて「八甲田山死の彷徨」を読んで、背筋が寒くなるほどの感動を覚えたのを思い出します。
さてその数学者である氏が現在の日本の状況を憂い、なぜそうなってしまったのか、今後どうしなくてはいけないかの論理を展開しています。今の社会の荒廃は、行き過ぎた西欧近代的合理主義の破綻のよるものだ。競争により優れたものが勝つそれが合理的だと皆が思い、実践した結果さまざまな矛盾が露呈してきました。戦後アメリカにより日本古来の古い伝統とか、考えかた、国を思うことなどすべて否定され、そのことが罪悪のように教育されてきた。お金のためなら法律にさえ触れなければ何をしてもいい。そうれがもてはやされているいまの世の中、お金のためなら、親をも殺す、そんな現状です。
かつての日本の武士は「卑怯を憎む心」「お金は卑しいもの」としてきました。花鳥風月を愛で、虫の声に耳をかたむけるといった、古来日本人の持っていた文化、美意識を見直そう、そしてわが日本をもっと愛していこう。国を思うことは悪いことでもなんでもない、当たり前のことだ。聖徳太子が「和をもって尊しとなす」といった日本人のこころを、誇りをもって今こそ世界に広めよう。
そんな氏の訴えに深く感動しました。われわれも現在の世界の真の状況、戦中戦後の日本が本当はどうだったのか。今話題の靖国の問題なども真実は何なのか、マスコミはすでに一方的な情報しか流さないといわれています。
大きな力が自分達の都合のいいように意図的に世界を動かしているという話もあります。アメリカで起きた9.11世界同時多発テロも陰謀説があります。イラクには大量破壊兵器など無かった、フセインとビンラディンは関係なかったことが今証明されています。テロを知りながらあえて発生させ、その結果イラク戦争を起こし、フセイン政権を打倒し、石油の利権の確保を正当化させる世論操作した。
など、すぐには納得しかねる部分もありますが、かつて日本の真珠湾攻撃を時のアメリカ大統領は知りながらあえてやらせ、なお主要空母を湾外に避難させて、その結果「リメンバー・パールハーバー」の世論をあおった(これは事実のようです)ことを考えると、あながちまったく無い話では無いなどと思ってしまいます。
いずれにしても私たちも、いろいろな勉強をし、正しい認識をし、少しでも良い世の中になるための努力をしなければと思います。こんな世の中だからこそ正しい思い、行いを一人でも多くの人が行うことでそれが大きな力になり、世の中が変わっていくことを願わずにはいられません。
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