7 月の連休を利用して、かねてより念願だった、法師温泉長寿館に気のあった中年夫婦3組6人で行って来ました。
昔よく行った苗場スキー場への国道17号。猿ヶ京を過ぎしばらくして左にはいります。はじめて道で、だんだん細くなり大丈夫かなと不安になったころ、突然にこの建物が見えてきます。
あいにくの雨模様でしたが、かえってその雰囲気が増幅されたような、素晴らしいたたずまいでした。昔ながらの帳場、吹きぬけている待合、奥にはみやげ物売り場、廊下は渡って旧館の建物。アプローチ右には新館、とはいっても20年近くたっているとの話ですが、しっかりと建てられています。
みやげ物売り場の横を過ぎると、かの有名な法師の湯。大きな吹き抜けの浴室にアーチ窓、浴槽は杉の丸太で仕切られており、中に板の通路などがある。洗い場などはなくのんびりとその杉の丸太を枕に湯につかる。下は砂利となっており時たま、小さい泡が上がってここから温泉が湧き上がっているのがわかります。混浴と言われていましたが当日は休日でも有り、入浴者は残念なことにおじさんばかり10人ほど。
ここにシャワーがなんで無いのかと言った人がいたとかいないとか、そんなものは無いほうが良いし、洗い流さないでここのお湯そのものを身にまとって帰れば、幸せそのものと言った素晴らしい雰囲気の温泉です。
その奥には新しく出来た「玉城乃湯」。ここは我がJIA仲間のIさんの設計で、施工は渋川のT工務店。さすがに大きな材料といい、内装材といいT工務店会長ご自慢の建物です。ここにはさすがに洗い場もあり、そとには露天風呂と設備は整っています。あいにくの雨でしたが番傘と、菅笠が用意してあり傘をさして入る風呂もおつなものでした。われわれは新館の宿泊でしたが、ここもT工務店の施工ということで、20年近くもたったとは思えない、いい仕事がしてありました。
小さい沢が流れる谷あいの一角に、よくも残しておいてくれたといった風情の建物群。これを守り続けた人達のご苦労は大変なものであったと推測されます。そのおかげでいま私たちはそれを享受することが出来るわけです。この温泉、そして温泉建築という文化を末永く守り続けていかなくてはと思ったしだいです。
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