16日に高崎INAXで、「土の話」~土の建築の歴史と今~
と題してINAXライブミュージアム館長辻孝二さんの講演があり、行ってきました。
INAXといえば、焼き物の製品が主ですが、焼く前の土の話でした。
世界の土の建築についての、写真やエピソードは興味深く、特に中東イランの砂漠の
中に建つ集落や、アフリカマリ共和国のジェンネなど土だけで創られた、素朴で魂に
訴えかけるような造形美でした。
日頃もの創りをしている私たちにとって、巧まざる美の持っている力を強烈に印象づけら
れました。
また他の話としては、粘土というものは磨けば必ず光るものだ、という話。
そういえば昔子供の頃泥団子を作り、ぴかぴかになるまで磨いて友達と遊んだことを
思い出します。
考えれば、あのような泥が磨けば宝石のように光るとは不思議なものです。
また「身土不二」。人間生まれ育った場所に有るもの、作られるものの影響は避けられな
いもの。そこで作られたものを使うこと、そこで育ったものを食べることが体に合うという
事なのでしょう。
昔はそこで出来たものを使って家を創ったことにより、その地域の特色となり、風景だっ
たわけで、今のように日本全国同じ風景というのはやはり、経済最優先の社会の弊害
ではないでしょうか。そこにある土を使い、木を使って家を創るということを、もう一度考え
てもよいのではと思ったしだいです。
そしてミュージアムのイベントで、子供たちに日干しレンガを作ってもらったところ
朝から夕方までの長時間、あきもせず喜んで作りあげたそうです。
土をいじるということは、子供はというか人間の本能に訴えるものなのでしょう。
楽しい研修でした。
ありがとうございました。
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